1. 57歳での課長昇進は、遅咲きの勲章だった
私は57歳で課長職に昇進した。会社の中でも「異例中の異例」と言われ、「ベテランの星だな」と声をかけられた。
若返りが進む会社で、50代後半の昇進はほとんどない。だからこそ、この昇進は私にとって大きな誇りだった。
長年積み上げてきた努力が、ようやく形になった。「まだ自分は必要とされている」そんな実感を久しぶりに味わった。
しかし、その誇りと同時に、心の奥で別の感情が静かに動き始めていた。
2. 昇進した瞬間に見えた「これからの2年」
課長職になったことで、私の残りの会社人生が逆に“はっきり”見えてしまった。
- 役職定年までのカウントダウン
- 責任は増えるが、裁量は増えない
- 人事異動のしわ寄せ
- 若手の育成という名の負担
- 会社の都合に振り回される日々
- 体力と気力の限界が近づいている実感
昇進は嬉しかった。 でも、その先にある未来は、「あと2年、会社に自分の時間を差し出す」という現実だった。
3. 会社への義理と、自分の人生の間で揺れた
私は誠実に働いてきた。迷惑をかけたくない。課長職としての責任もある。人事が決まったばかりで辞めるなんて、裏切りではないか。
そんな思いが胸を締めつけた。
しかし同時に、「自分の人生はいつ取り戻すのか?」という問いが、日に日に大きくなっていった。
4. 家族のこと、母の介護、そして自分の時間
母の介護がある。 娘たちは独立し、私の役割も変わった。 妻との時間ももっと大切にしたい。
そして、
- 20年乗った車を買い替えたい
- 夏にはキャンプに行きたい
- 海外旅行にも行きたい
- ブログを書いてみたい
- 自分の人生を生きたい
こうした“やりたいこと”が、会社のスケジュールに押しつぶされていくのが分かった。
5. 資産は十分。もう「働くために働く」必要はない
私は幸運にも、長年の積立と運用で資産を築くことができた。
- 退職金
- DCの運用益
- 持株会の利益
- 年金と個人年金で生活費をまかなえる見込み
つまり、お金のために働く必要はもうない。
残っているのは、「会社への義理」と「自分の人生を生きたい気持ち」の綱引きだけだった。
6. そして私は、辞めたいと思った
昇進は嬉しかった。 でも、それ以上に、「自分の人生を取り戻したい」という気持ちが強くなった。
57歳で課長職に昇進したことは、私のキャリアの“最後の勲章”だ。
だからこそ、その勲章を胸に、次のステージへ進んでもいいのではないか。 そう思うようになった。
7. 昇進は「辞める資格」をくれた
課長職になったことで、私は会社に十分貢献したと胸を張れるようになった。
昇進は、「まだ頑張れ」というメッセージではなく、 「もう十分だよ」という会社からの最後の贈り物だったのかもしれない。
8. これからの人生をどう生きるか
私は今、キャンプに行き、旅行に行き、ブログを書き、母の介護を大切にしながら、自分の時間を生きたいと思っている。
57歳で課長職に昇進したけれど、辞めたいと思った理由。 それは、「会社の人生」から「自分の人生」へと舵を切る時が来たから。
コメント